ガラス

ガラスのお話~ガラスと鏡の関係~

実は深い関係にあるガラスと鏡にまつわるおはなし。

ガラスと鏡の関係に関して

日々のメイクや洗顔時、毎朝身だしなみを整える時などには必ず鏡を使いますよね。ガラス同様、この鏡にも私たちの日常生活からは切っても切れない縁があります。ではこの一般的な鏡がどういう構造になっているかはご存じでしょうか?実はガラスと鏡は非常に密接な関係にあり、「ガラスなくして鏡なし」と言ってしまっても過言ではありません。 もともと鏡とは自らを映すためのものと、宗教の儀式などに使われる目的のものがありました。まず、太古の水鏡は、水面に自分の姿を映して使用するための鏡であり、遺跡から出土した黒曜石の石版を磨いた鏡や、青銅などの金属を材料とした銅鏡は宗教的な用途で作られたと考えられています。この金属鏡は表面に研磨が施されただけのもの、後の時代にはスズでメッキ加工された表面鏡が製造されています。 しかし、これらの鏡は反射が不十分で、今の鏡ほどはっきりとした像の色や形が映るものではありませんでした。やがて科学の発達が進みイタリアはベネチアのガラス職人が、ガラスの裏面にスズを付着させる技術を開発して以来、鏡の反射は飛躍的な向上を遂げます。その後ドイツの化学者ユストゥス・フォン・リービッヒ男爵が銀鏡反応を開発し、これが現在の鏡の製造技術の基盤となりました。 この銀鏡反応を利用して、ガラス板に光の反射に優れた銀の薄い膜を沈着させて像を映す、というのが現在の一般的なガラス鏡の構造なのです。 ちなみに日本に初めてガラス鏡を伝えたのは、かの有名な宣教師フランシスコ・ザビエルであったと考えられています。

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Photo:Reese Watching by donnierayjones