ガラス

ガラスのお話し~ガラス屋のフロート(板)ガラスについて~

一番ポピュラーなフロートガラスについて。

フロートガラスとは

現在のガラス屋でも取り扱われているもっとも一般的な板状のガラスで、建物の窓ガラスや玄関ガラスなどに使用されていて、私たちも生活の中でよく目にします。平面精度が高く透過性・採光性にすぐれ、大量生産が可能で、ガラスの中でも一枚あたりの単価が安いのが幅広く使われている理由です。 元々このフロート板ガラスは、イングランドはセントヘレンズを発祥とするガラス製造メーカー、ピルキントン社のアラステア・ピルキントンがその名も「フロート法」という成形技術を開発し発明しました。余談ですが、このような経緯からかセントヘレンズの駅はガラス張りで建造されており、さらにセントヘレンズには「The World of Glass」というガラス博物館があります。 このフロート法とは、全長約600メートルにもなる製造ラインを使って生産するもので、大量生産と大型ガラスの製造を実現した現在もっとも代表的な建材ガラスの製造法です。まず原料となる「珪砂(けいしゃ)」、「ソーダ灰」、「ぼう硝」などを調合しラインに投入します。次に、約1600度以上の炎でガラスを溶かしてガラスの温度を下げて気泡を抜き、均一な幅と厚み、さらに平らな板状にするため溶かしたスズの上に浮かべます。そして、ガラスが割れてしまう原因である内部のひずみを生じさせないように徐々に冷まし、最後に固まったガラスを切断して完成します。余談ではありますが、先日私の自宅でも東京都のガラス修理屋さんに頼んで、このフロートガラスを交換しました。

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Photo:Reese Watching by donnierayjones